古物を扱う営業は営業所・お店の所在地を管轄する公安委員会から古物商許可を得た上で営業を開始する必要があります。グラスルーツ行政書士事務所は「古物商の許可が取れるのか心配だ」「申請書の書き方やどういった必要書類があるのかわからない」など古物商許可についてお悩みの方のサポートを致します。
◇古物の定義は?
一度使用された物品(中古品)もしくは使用されない物品(新古品)で使用のために取引されたもの
または、これらのものに幾分の手入れをしたもの、になります。
◇古物として対象となる物品(13種)
古物は古物営業法施行規則によって13品目に区分されます。古物商の許可申請の際は、取り扱う区分を決めて申請する必要があります。
1)美術品類
→あらゆる物品について美術的価値を有しているもの
2)衣類
→繊維製品、革製品等で主として身にまとうもの
3)時計、宝飾品類
→そのものの外見的な特徴について使用する者の嗜好によって選択され、身につけて使用される飾り物
4)自動車
→自動車及びその物の本来的用法として自動車の一部として使用される物品
5)自動二輪車及び原動機付自転車
→自動二輪車及び原動機付自転車並びに、その物の本来的用法として自動二輪車及び原動機付自転車の
一部として使用される物品
6)自転車類
→自転車及びその物の本来的用法として自転車の一部として使用される物品
7)写真機類
→プリズム、レンズ、反射鏡等を組み合わせて作った写真機、顕微鏡、分光器等
8)事務機器類
→主として計算、記録、連絡等の能率を向上させるために使用される機械及び器具
9)機械工具類
→電機によって駆動する機械及び器具並びに他の物品の生産、修理等のために使用される機械及び
器具のうち、事務機器類に該当しないもの
10)道具類
→1)~9)、11)~13)に掲げる物品以外のもの
11)皮革、ゴム製品類
→主として皮革又はゴムから作られている物品
12)書籍
13)金券
◇古物営業とは?
①古物の売買または交換(委託含む)をする営業。古物を売買、交換、委託を受けて売買、委託を受けて交換をする営業をいいます。
②古物市場を経営する営業。古物市場とは古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいいます。
③古物競りあっせん業。古物の売買をしようとする者のあっせんを競りの方法により行う営業です。
※古物商の行商とは?
露店やデパートの催事場など、営業所以外の場所での古物営業を営むことを「行商」といいます。
・古物市場に出入りして取引を行う。
・中古自動車などの訪問販売を行う。
・デパート等の催事場に出店する。
このような営業を行う場合には古物商の許可内容が「行商する」となっていることが必要です。
◇古物商許可が必要なケース
以下の場合は古物商の許可を受ける必要があります。
・古物を買い取って売る
・古物を買い取って修理して売る
・古物を買い取って使える部品などを売る
・持ち主から依頼を受けて、自分の店舗などで古物(中古品)を売り、売った後に手数料を
いただく(委託販売)
・古物を別の物と交換する
・古物を買い取ってレンタルする(DVDレンタル)
・国内で買った古物を国外に輸出して売る
・ネットオークションで購入したものをネット上で販売する
⇒古物から収入を得ようとして買い取ると古物商許可が必要となります。
◇古物商許可が不要なケース
以下の場合は古物商の許可は必要ありません。
・自分のものを売る
・インターネットオークションで自分の物を出品する
・無償でもらった物を売る
・相手から手数料を取って回収したものを売る
・自分が売った相手から売った物を買い戻す
・自分が海外で買ってきた物を国内で売る
⇒実際に中古品を売ってもはじめから売るつもりで古物を買い取っていないと古物商許可は不要です。
(但し、継続的な売買をしていると許可が必要とみなされる場合があります。)
◇古物商の欠格事由
次の事由に該当する場合は、古物商の許可を受けることができません。
・行為能力を有しない未成年者、成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
・禁固以上の刑に処せられ、または第31条、247条、254条、257条2項の罰金の刑に処せられ、その執行
が終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しないもの
・住居の定まらない者
・古物商の取り消しなどの行政処分から5年を経過しない者
・営業所または市場ごとに責任者が専任されていない場合
・法人においてその役員に上記に該当するものがいる場合
◇申請手続きの流れ
・面談(基本事項の検討・決定、必要書類のご案内)
↓
・所轄警察署との事前確認
↓
・必要添付書類の取得
↓
・申請書類の作成
↓
・許可申請
↓
・許可(申請しておよそ40日後)
◇申請に必要な書類
1.許可申請書 正副2通
2.下記添付書類
<個人の場合>
1. 最近5年間の略歴を記載した書面(経歴書)
2. 住民票の写し(本籍<外国人にあっては国籍など>が記載されたもの
3. 誓約書(法第4条1号から第6号までに掲げる者のいずれにも該当しない旨の誓約書)
4. 成年被後見人又は被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書
5. 身分証明書(準禁治産者等に該当しない旨の市町村長の証明書)
など
<法人の場合>
1. 定款及び登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
※申請時に定款に目的として、古物営業の記載があることが必要
2. 全役員の経歴書(最近5年間の略歴を記載した書面)
3. 全役員の住民票の写し
4. 全役員の登記事項証明書(成年被後見人又は被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書)
5. 全役員の身分証明書(準禁治産者等に該当しない旨の市町村長の証明書)
6. 全役員の誓約書(法第4条第1号から第5号までに掲げる者のいずれにも該当しない旨の誓約書)
<選任する管理者に係る書類>
1. 最近5年間の略歴を記載した書面(経歴書)
2. 住民票の写し(本籍<外国人にあっては国籍等>)が記載されたもの
3. 成年被後見人又は被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書
4. 身分証明書(準禁治産者等に該当しない旨の市町村長の証明書)
5. 誓約書(法第13条第2項各号に掲げる者のいずれにも該当しない旨の誓約書)
<営業所の使用権限を疎明する書類>
自己所有の場合は、土地・建物の登記簿謄本。営業所を借りている場合は、賃貸契約書のコピー、使用承諾書など
<ホームページを用いて古物の売買を行う場合>
URLを使用する権限があることを疎明する資料
(ex,プロバイダからのURL通知書や契約書、ドメイン取得証など)
◇古物商の許可申請先は?
古物営業法では、都道府県公安委員会の許可を受けなければならないと規定されています。
許可を受ける場合は営業所の所在地を管轄する警察署長を通じて都道府県の公安委員会に申請をすることになります。個人申請などで営業所がない場合は、住所を管轄する警察署が窓口になります。
〇同一の都道府県内に複数の営業所を設ける場合
この場合は営業所ごとに許可を受ける必要はありません。いずれかの営業所の所在地を管轄する警察署
へ許可申請をすれば問題ありません。
〇複数の都道府県内に複数の営業所を設ける場合
営業所のあるそれぞれの都道府県ごとに許可を受ける必要があります。
◇古物商許可証の有効期限
古物商の許可証の有効期限はありません。記載内容に変更がなければ同じ許可証を使用することができます。
但し許可を受けてから6ケ月以内に営業を開始しない場合や、営業休止の状態が6ケ月以上続いていて現に
営業を営んでいないなどの場合は、許可の取り消しや古物営業の停止を命ぜられる場合があります。
また記載内容に変更があった場合には許可証の書き換えを受ける必要があります。