こんにちは、岡山の申請取次行政書士、グラスルーツ行政書士事務所の田口です。
中国在住の方が日本で会社設立して経営したいというご相談がありました。
その中で日本で会社設立する際の出資金を現金での持ち込みを考えていると言われ、果たして問題があるのかないかを調べてみました。
税関のホームページに該当するものが掲載されています。
https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/shiharaishudan.htm
そこには100万円相当額を超える場合は「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を提出して申告する必要があるようです。
現金に限らず100万円相当の現金等ということなので、現金のほか小切手、トラベラーズチェック、約束手形、証券を含みます。また貴金属(純度90%以上の地金)が1キロを超える場合も申告が必要です。
申告の様式は全国の空港や港にある税関に備付けてある書式を利用できます。
100万円相当額を超えなければ無申告で持ち出し・持ち込みはできるようです。
日本では上記のようなルールのようですが、中国からの持ち出し・中国への持ち込については中国のルールがあるようです。
日本貿易振興機構(ジェトロ)のホームページに中国における外貨現金の持ち出し制限について記載がされています。
https://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/law/currency_abroad.html
・USドル5,000以内(5,000含む)
→許可不要(当日、複数回往復する場合および短期間内に複数回往復する場合を除く)
・USドル5,000超USドル10,000以内(10,000含む)
→銀行にて「外貨持出出国許可証」(以下「携帯証」という)を入手の上出国可
・USドル10,000超
→国家外貨管理局各分支局(以下「外貨局」という)にて「携帯証」を入手の上出国可
となっています。
1ドル115円とすると5,000ドルは575,000円なので1人575,000円以内であれば許可なしで中国国外へ持ち出しができるということになりますね。
10,000ドルまでであれば銀行発行の携帯証、10,000ドル以上であれば国発行の携帯証が必要となるんですね。
日本で在留資格「経営・管理」取得のためには500万円以上の出資が必要なので、許可なしで500万円分を持ち込もうとしたら9回にわたって来日しないと500万円を持ち込むことはできないということになりますね。
中国以外の国でも持ち出し・持ち込みの制限があると思いますので、現金持込についてはあとで問題が起きないよう事前によくリサーチしておく必要があります。