岡山の入管申請取次行政書士、グラスルーツ行政書士事務所の田口です。
特定技能外国人への問い合わせ・相談が増えてきており、その手続きについての書類作成も多くなってきてます。
特定技能外国人に関する書類については、出入国在留管理局への申請取次については登録支援機関が行うことは可能ですが、書類の作成を有償で行うことは認められていません。
このことをご存知でない登録支援機関の方がいらっしゃるようです。
登録支援機関に特定技能外国人の支援実施を委託したとしても、登録支援機関(弁護士、弁護士法人、行政書士、行政書士法人を除く)が、特定技能外国人(申請人)に関しての出入国在留管理局への申請書や特定技能所属機関に関する出入国在留管理局への届出書及びそれらの添付書類等の官公署提出書類(電磁的記録を含む)を「有償」で作成することは認められていません。
その根拠法令となるのは
・弁護士法 第七十二条
・行政書士法 第十九条
となります。
ちなみに行政書士法第十九条には以下のように記載されています。
・行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。
ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC1000000004
上記の「第一条の二に規定する業務」とは
⇒行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
となっています。
要するに、業として有償で書類を作成することはできないということです。
なので出入国在留管理局へ提出する書類は、特定技能所属機関(特定技能外国人を雇用している会社等)が自ら作成するか、弁護士又は行政書士に作成を依頼する必要があります。
この法令に違反した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられますので、注意が必要です。